「コンピュータが発達するとドラマーの仕事はなくなる」という意見があります。
確かにこれは一理あって、90年代くらいには僕もそんなふうに考えていました。でも今は「やっぱり人間じゃないとダメだよね」と思っています。
コンピュータは確かにすごいけど・・・
コンピュータは確かにすごいです。正確ですし、持久力もありますし、スピードも無限に速くできます。人間にはとても太刀打ちできません。
しかし、人間が音楽に求めているのって、本質的にはそこじゃないんですよね・・・。
コンピュータは「共鳴」しない
人間なら当たり前にできて、コンピュータには絶対にできないことがあります。それは「共鳴」です。
一緒に気持ちよくなること。
感情を共有すること。
一体感を得ること。
これらは、コンピュータには出来ません(擬似的には出来ますが、本当ではない)。
僕は、人間が音楽に求めているのは「共鳴」だと思っています。だからコンピュータがいくら発達しても人間のドラムはなくならないし、むしろ人間が叩くことが一層求められるようになると考えています。
共鳴するとエネルギーが上がる
僕らは音楽から様々なエネルギーを受け取っています。音楽を聴くと気分が高まったり、リラックスしたり、時には昔の記憶が蘇って涙が流れたりしますね。
これらはすべて「共鳴」の作用です。
僕たちの感情には「周波数」があって、音楽のもつ周波数とチューニングがあった時(=共鳴した時)、その感情が表に出てくるんです(ちょっと聞き慣れない話かもしれませんが、本当です)。
優れた作り手は、音楽の中にこの「感情の周波数」を刻み込むことができます。その瞬間の感情を刻み込むことはもちろん、過去に経験した様々な感情の中から自由にチョイスして、まるで俳優が演技をするように「表現」して聴き手に伝えることもできます。
僕らは音楽を聴くとき、感情の周波数に共鳴することで、音楽のエネルギーを受け取ることが出来るわけです。
ライブだったら、その周波数を増幅して、演者に返すこともできます。こうしてエネルギーが高まっていくのがライブの醍醐味ですよね。
これからの時代は、フィジカルがもっと大切になる
ドラマーは、そうしたエネルギーを「送り出す側の人」です。心地よい共鳴を起こしたければ、自分自身が「共鳴できる能力」を磨く必要があります。肉体は感情と連動していますから、感情を豊かにすることも大切ですね。
コンピュータには肉体も感情もないので、この「共鳴する能力」は、AI(人工知能)には絶対に実現できません。
身体感覚を育てること。
感情を育てること。
押さえ込んでいた感情の蓋を開け、癒すこと。
これが、AIが発達してもドラマーが生き残る道です。
共鳴できるセンサーの精度を上げて、今日も良い波動を出していきましょう(^^)