こんにちは、山北です。ぼくのレッスンではボディワークをたくさん取り入れています。ドラムから離れて腕をブラブラしたり、体重バランスをチェックしたり、時には呼吸を感じてみたり・・・側から見たら相当怪しいですね(笑)。
こうした地味なワークの一つ一つがドラムの上達には欠かせないのですが、その重要性は今ひとつ広まっていないように感じています。そこで今回は「ドラマーがボディワークに取り組むべき理由」と題して、ボディワークの大切さを啓蒙したいと思います。
ドラマーがボディワークに取り組むべき5つの理由
ボディワークが大切な理由を5つにまとめてみました。
- 身体の使い方には個人差がある
- 技術には、身体の使い方という「基礎」が必要
- 身体を壊さなくて済む
- 根性論ではたどり着けないレベルに行ける
- 再現性があり、人に教えられる
下記に詳しく解説します。
1.身体の使い方には個人差がある
身体の使い方には個人差があります。できる人は、最初からできる。できない人は、身体の使い方から見直さないと一生できない。そんな基本動作が、ドラムにはたくさん出てきます。
たとえば中腰になった時にハムストリングスで支えるか、大腿四頭筋で支えるか。この違いはとても大きくて、フットワークはもちろん手の動かし方にまで影響します。しかしドラムの練習だけでは、この違いに気がつく人はとても少ない。だから、ボディワークという形で確認して、必要であれば修正をしていくわけです。
(ここだけの話。ハムストリングスが使えなくてつまづいている人、メッチャ多いです・・・)
2.技術には、身体の使い方という「基礎」が必要
身体の使い方という「地面」の上に、技術という「建物」を建てていく。ドラムの練習とは、そんな地道な作業です。地面の中に障害物があったり、地盤がグラグラだったりすると工事が進まないわけです。
ボディワークは、土台を整えるのに役立ちます。呼吸、腕振り、膝抜き、坐骨の状態など、一つ一つの要素を確認していきます。
これらは全て「センス」を構成する要素でもあるため、繰り返しになりますが、できる人は最初からできています。しかしできない人にとっては、見直しの作業が必要なのです。
センスは後天的に身につきます。ボディワークによって、上達のスピードも劇的に速くなります。
3.身体を壊さなくて済む
「ひたすら練習」も一つの答えですが、人によっては限界があります。身体の使い方が出来ていないところに無理な練習をして、腱鞘炎や腰痛などの怪我をしてしまう場合もあるからです。
注意が必要なのは、身体に負担をかければかけるほど「自分はよく練習している」という自己満足に陥り、さらに負担をかけ続けてしまう・・・という悪循環にハマってしまうケースです。
そう言うぼくも昔は闇雲にテンポを上げて、筋肉痛になったりしたら「よく練習した!やったぜ!」なんて喜んでいました・・・。今ならわかりますが、そういうのはダメです。
麻痺してしまった感覚を正常化するのにも、ボディワークは有効です。悪循環から抜け出すことができます。
4.根性論ではたどり着けないレベルに行ける
身体の使い方が出来ていないのに根性で練習を続けると身体を壊します。当然、練習はそこでストップし、より高いレベルにいける可能性がなくなってしまいます。
もちろん、身体に負担をかけることでより良い身体の使い方を覚えるきっかけになる、というのも否定はしません。しかし、そもそもの感覚が間違っていたとしたら・・・ただケガをして終わり。
根性論も否定はしませんが、痛みや違和感が出た時に適切なボディワークを行うことで、もっと遠くの世界まで行けるようになります。
5.再現性があり、人に教えられる
もともとセンスの良い人は、センスが良くない人の「できない理由」がわかりません。しかし、ボディワークを通してその人の身体の使い方を把握することができれば、出来ない理由を一つ一つ潰していくことができるようになるのです。
これは、ドラム界全体のメリットです。身体の使い方をメソッド化することで、人に教えられるようになる。ドラム教育界の未来のために、こういう考え方を広めていきたいですね!
まとめ
昔は、根性論が主流でした。「できるまで練習しろ」「諦めずに頑張れば必ずできるはずだ」「できないのは練習が足りないからだ」などなど・・・。
しかし、いまは令和の時代です。できない理由をつぶすための情報はどんどん豊富になり、本当にできるようになれる時代です。
できるようになったその先、ドラムを通して人生がどう変わっていくかに目を向けていくことができる時代。素晴らしいじゃありませんか。
当レッスンでも、そんな上達をサポートさせて頂きます。東京・大阪で教えています。