俺はドラムのヘッド。ぶるぶる震えて空気をゆらすぜ。人間ってのは俺がゆらした空気の揺れを音として感じ取る生き物らしいな。
俺を振動させたいなら、スティックを握りしめちゃいけない。そんなことしたら振動が止まってダミ声になっちまう。もちろん俺はダミ声も得意だけど、そればかりじゃ聴く人が疲れちまうからセンスが必要だな。

僕はフープ。ヘッド君が自由に動けるように、端っこをしっかりと支えているよ。ヘッド君がめいっぱい暴れたいときは、僕も一緒に振動してあげるんだ。リムショットといって、カッコいい音が出るから試してみてね。
足元のバスドラム君のフープにはペダルがくっついているんだけど、ペダルは固定してくれた方が低音が出やすいみたい。床と一緒に振動するんだろうね。部屋ごと鳴らすつもりでやるとカッコいいかもね!

私はシェル。ヘッドとフープをいつも支えていますよ。ドラムって半分以上はヘッドの音ですけど、その奥には私の声も混ざっているの。私の声をはっきりと聴きたいときは、私まで力が届くように鳴らしてみてね。

ボクはシンバル。うねうねと揺れて音を出すよ。ボクの声はいちばんうるさいけど、実はとても繊細なんだ。チップを使うときは角度によって音が変わる。スティックが寝かしてあるとごわーーんとした音、スティックが立っているとコツンと止まった音になるよ。
クラッシュしたいときは、シャリーンと「こする」感じで鳴らしてくれたら歯切れよい音が出しやすい。肩に手を乗せられると静かにも出来るけど、変な角度で叩かれるとヒビが入っちゃうから気をつけてね。

ボクたちが音を出すためには君の力が必要なんだ。君が伝えたいことを表現するために、ボクたちの声をうまく使ってくれよな。