おはようございます。「鉛筆曲げ」を知らない中学生がいるとTwitterで知り、今は鉛筆をいじってヒマつぶしをするヒマももないほど忙しいのかと驚いたのですが「あ、スマホか」と納得した山北です。

ドラムを長時間叩くと、疲れますよね。大きい音を出そうとグイグイ踏ん張って腰が痛くなったり、小さい音は小さい音で肩がこったり。

先日もクラシックの打楽器奏者の方がレッスンにお見えになり「ボレロ」を少しやって見せてくださいました。緊張の中、静寂の中で一人でスタートするあの3連符・・・。それはそれは小さな音で、本当に難しい。考えただけで身体が固くなりそうです。

ボレロはプロでも難しい演目の一つだそうで、様々な工夫が存在するそうです。スティックを短く持ったり、膝に手を乗せて安定させたり。極めつけは「紐付きのタオルをかぶせて、曲の盛り上がりとともに足でずらしていく」という技もあるそうです。

ドラムは音が大きな楽器なので、音量を抑えるって大変です。ボレロほどではないにしても、PAが十分でない小さなハコで演奏するときなんかは気を使いますよね。

ガムテープをベタベタに貼ってもまだうるさい。そんな時はどうすればいいのでしょうか?

小さな音でも肩がこらない方法

小さな音を出そうとしたとき、多くの人は身体を固めて、手先でコントロールをしようとします。細かい作業は指先で、というのは自然な感覚ですね。

しかし、これは疲れます。腰がだるくなり、肩が凝り、首まで痛くなる人もいるかもしれません。

こういう時、僕は「手先を止めた方が良い」とアドバイスします。そして指ではなく、胴体の動きをゆっくりとスティックに伝えます。胴体を固めるのではなく、むしろ胴体をやわらかく動かしていこうという発想の転換です。

こうすれば腰は疲れないし、むしろ演奏するほどに身体がほぐれていきます。音量を抑えたいときに試してみていただきたいアプローチです。

大きな音でも腰痛にならない方法

反対に、野外などで遠くまで届く音を出さなければならない時はどうすればよいでしょうか。脱力できていたとしても、大きな音で打ち込むと反動がきます。特に足元などは、グイグイ踏ん張って腰痛につながってしまうケースは多いですね。

これについて、僕は文化的な理由が大きいと感じています。リズムの取り方に理由があるのです。

日本人の多くは、地面を踏み締めることで「拍」を感じています。シコをふむ動き、「どっこいしょ」と土を耕す動きのイメージです。いわゆる「ダウン」で一拍という状態です。

ダウンで動きが止まる拍のとり方をしていると、いくら身体が脱力していても、毎回衝撃を受けてしまいます。大音量のときは、これが負担になるんですね。

僕が最近オススメしているのは、大音量の時ほど「アップ」で拍をとることです。足が地面を押していくとき、つまり「身体が伸び上がるとき」が一拍。こうすれば、一拍ごとに衝撃を受けることなく、連続したビートが打ち出せます。

腰痛・肩こりになる人の特徴

腰痛や肩こりになる人は、バスドラムを踏み込むときに必ず腰を固めています。呼吸も「ウッ」と止まり、一瞬の力みが生じています。

僕はいろんな人をレッスンする中で、このタイプの人は音を聴けばわかるようになってしまいました。

注意が必要なのは、ポップス、ロック系の音楽の場合、有名なプロの方にもこのタイプの方がおられるというところです。リズムを聴けばわかるのですが、日本ではこのタイプのリズム(踏ん張って一拍)も好まれるのです。

腰が痛くなりやすい方が「踏ん張りタイプ」を目指したい場合は、身体のメンテナンスもあわせて行うことをオススメしたいところです。

腰痛、肩こりになりたくない方は、「アップ」で拍がとれるように練習することをオススメします。