おはようございます。いよいよ都市封鎖の可能性が出てきたので、レッスンができなくなった時に皆さんに提供できるものは何だろう?と考えているドラム講師の山北です。

今回は昨日の続きで、リズムのとり方についてもう少し掘り下げてみようと思います。

ダウンとアップ

リズムを「ひざ」で取るとします。ひざカックンで体重が落ちた時に手拍子をする感覚が「ダウン」、ひざが伸びた時に手拍子をするのが「アップ」です。

(手首や足首の「ダウンアップ奏法」とはまた違う意味になります)

日本の「音頭」のドドンパのリズムや、ソーラン節などの民謡は「ダウン」のリズムが主体。「ヤーレン、ソーラン・・・」の揉み手の感覚ですね。

対して、モータウンのディスコビートなどは「アップ」が主体です。ひざが伸びる時に「指パッチン」するイメージ。

それぞれの特徴を整理してみましょう。

ダウンの特徴

体重が落ちる時に音を出す「ダウン」には、「音と同時に動きが止まる」という特徴があります。おなかに力を込めて音を出す感じですね。

呼吸の面では「エイッ」「ハッ」「ウッ」といった「一発で止める」感覚です。

僕の感覚では、ダウンで演奏するときは盛り上がるほどに腰やおなかに力が入ります。聴いているときにも自然と力がこもってきて、「頑張るぞー」「エイ、エイ、オーッ」という高揚感につながりやすい感じがします。「みんなで一致団結して何かに立ち向かう時の応援歌」にマッチする感じです(個人の感想です)。

アップの特徴

体重が上がる時に音を出す「アップ」は、「動きの中で音を出す」のが特徴です。音が出る時も、おなかには力が入りません。

呼吸の面では「ウンウン」「ブンブン」「ダァダァ」といった「連続する」感覚です。

僕の感覚では、アップで演奏するときは盛り上がるほどに身体が揺れ、踊り出したくなります。聴いているときにも自然と身体が動きだし、盛り上がるほどに「ほぐれて」きます。「イェーイ!」「楽しい〜っ!」という高揚感で、日頃のストレスが溶けていく感じがします。パーティーやお祭りに合う感じです(主観です)。

アップが苦手な人が多い

実はつい最近まで、僕はアップのリズムを演奏するのが苦手でした。モータウンの音楽が好きなのにイマイチ上手くできなかったんです。

原因は、ダウンとアップの違いにありました。アップでリズムを取る練習をしたら劇的に改善し、より一層力も抜け、リズムが合うようになりました。モーラー奏法や脱力をそれなりにマスターしたつもりでいても、どこかに「ダウン主体」のとり方が残っていたのです。

2011年にYouTubeにアップしたBURNの動画もダウンでとっていて、イアンペイスとは違う感じになっています。最近、理解しました・・・)

これに気付いたので、僕は自分のリズムのとり方を最近また修正しました(BURNも撮り直すかもしれません)。

その上で生徒さんをみていると、ほぼ全員が「ダウン一辺倒」であることが判明。現在はアップでリズムをとる練習を提案させていただき、その場で力が抜け始める人が続出しています。

力を込める=音?

日本人はダウンが得意です。音が出る時におなかに力を込める。地面を踏みしめる。この感覚がしっくりくる人が多いです。

しかし、動きを止めないで鳴らすほうが勢いが出るし、身体への負担も少ない。そのためには「アップ」が適しているのです。いろんな音楽がありますので、両方ともできた方が良いです。

ダウンとアップは180度違うのでかなりの大改造になりますが、試してみる価値は大きいと思います。