こんにちは。Twitterで「BPM〇〇チャレンジ!」的な動画が流れてくるとつい反応して自分もやってしまうドラム講師の山北です。
最近はゲーセンのドラムマニアからドラムを始める人がいたり、打ち込みのサウンドしか知らない人もいたりしますね。
それはそれでクリエイティヴだし全然OKなんですが、ぼくは初心者がそこから入るのはちょっと無理があると思っています。人間が演奏している音じゃないので、お手本としては適切じゃないんですよね。
もし、お手本が「影武者」だったら?
動きのイメージって大切です。
たとえばぼくの経験でいうと、10代の頃はじめてコピーした曲が「別人の演奏」だった可能性があり、ちょっと微妙だったという話があります。
具体的にはプリンセスプリンセスの「ダイヤモンド」という曲なんですが、この曲、レコーディングでは青山純さんが「影武者」で叩いてたって説があるんですよね。
そう思って今聴くと、確かにアオジュンさんの音にしか聴こえない。音が太いし、ビートはドッシリしているし、使っている楽器もソナーっぽい音だし、、
まあ当時はフォームなんて気にもしていなかったので、べつに大きな影響もなかったとは思うのですが、やっぱり潜在意識には「富田京子さんのフォーム」は記憶されていて、ちょっと違和感が残っている。商業音楽なのでいろんな大人の事情があるのでしょうけれど、こういうのって良くないと思うんですね。
テレビの「あて振り」問題
もう一つ、昔は「あて振り」という仕事がありました。テレビの歌番組でカラオケにあわせて演奏しているマネをするという仕事だったんですが、今もあるのかな?
昔はぼくも半日拘束で2並び(22,222円)とかでやらせてもらっていましたが、あれも「間違った動きのお手本」のオンパレードなんですよね。
ある現場で一緒になったベーシストなんて、「オレ本当は左利きなんだけど別にいいや」と言って右利き用のウッドベース弾いてたりしましたからね・・・。
最近はちゃんと生演奏する番組が多くなっていて喜ばしい限りですが、テレビは「見映え重視」なので、リアルな演奏を見極める目が必要ですね。
ルーツを探すと面白い。
打ち込み音楽には動きのお手本が存在しないので、ドラム初心者がお手本にするのはちょっと無理があると思います。クリエイティヴに振り切るならそれも全然アリですが、なかなか厳しい道のりになりそう。
そんな時、ぼくが提案したいのは「ルーツに目を向ける」ということ。アニソンでもエレクトロでも、それらの音楽の「作り手」がどんな音楽を聴いて育ったのか調べるんです。
作り手の生い立ちをWikipediaで調べたりインタビュー記事を探したりすれば、その人が影響を受けた音楽の一つや二つすぐに見つかると思うので、それを聴くわけです。作品への理解も深まるし、演奏のお手本にもなるはず。
「ルーツをたどったら、ドラムのない音楽だった」なんてこともあるかもしれません。全然OKです。「じゃあ自分だったらどんなドラムをつけようか?」と想像するのもまたクリエイティヴ。情報をちょっと深掘りするだけで、音楽はまだまだ面白くなると思います。
楽しんでいきましょう(^^)