おはようございます。今日は娘の卒業式でPTA会長として話をする予定だったのですが、コロナの影響で式が短縮バージョンになりカットされた山北です。オリンピックも延期になりましたし、当たり前と思っていたことが大変な速度で変わっていきますね。
ドラムに関しても、時代とともに「当たり前」が変わるということは頻繁にあります。「身体をドッシリと安定させたほうがリズムは正確になる」という考え方もその一つ。身体を固めると腰痛のリスクも高まりますので、気をつけたいところですね。
安定=じっとしていること?
そもそも「安定」ってなんだ?というところから話をしましょう。
「身体を安定させましょう」というと、ふつうは身体をピタッと止めてじっと「動かずにいる」状態をイメージしますよね。そして多くのドラマーがこの状態を目指し、「まだまだ安定感が足りない。修行しなければ!」という「いばらの道」を進んでいるように思います。
そういう僕も、昔は「じっとする安定」を目指していました。でも上手くいきませんでした。なぜ上手くいかなかったか、わかりますか?
それは、人間は「じっとしていられないようにできている」からです。じっと動かずにいることは、人間には絶対に無理なんです。
今日も卒業式で足も組まずに1時間近くパイプ椅子の上に座っていましたが、じっとしているのって大人でも本当に大変。おしりを軽くモジモジしたり、少しだけ肩を動かしたりと各自が工夫をこらしているわけです。
ドラムを叩くとき、こんなモジモジした状態で安定したリズムが出せるでしょうか?
「動きの安定」という発想
人間の身体は「動いている方がラク」なように出来ています。だから安定したリズムを出すには「じっとする」ことよりも、「動きの周期を安定させる」ことを考えた方がよいのです。
そもそもドラムを叩くという行為そのものが「動き」です。下半身がジャンプしたり、ペダルを踏み込んだりといった落ち着きのない動きが「安定」につながるイメージは持ちにくいかもしれませんが、動きの「周期が一定」であることで、出てくるリズムは非常に安定したものになるのです。
ここが発想の転換ですね。
身体は動きたがっています。慣れないうちはコントロールが難しいかもしれませんが、動きの「周期」に着目できたら、ラクに正確なリズムを奏でることができるようになりますよ。