こんにちは、山北です。

今回は、僕が最も影響を受けた教則本のひとつ
The Sound of Brushes / Ed Thigpen
をご紹介します。

※同じタイトルのDVDも出ていますが、今回ご紹介するのは「本」のほうですのでお間違いなきよう。

付属のCDがめっちゃ良い!

この本にはCDが付属しており、「リスニング」と「シャドーイング(真似して歌う)」のトレーニングが出来るようになっています。これがめっちゃ良い!

CDには模範演奏とともに、エドシグペンの歌い方がハッキリと収録されています。全編英語ですが大丈夫。「ナーウ、ページ〇〇」と本の何ページかを常にハッキリと言ってくれますし、本にある楽譜を見ながら聴いていると英語の意味がわからなくてもノリがつかめるようになっていますので心配無用です。

8分音符「1 & 2 &…」
3連符「1 ti ta 2 ti ta…」
16分音符「1 e & a 2 e & a…」

これらの歌い方を、エドシグペンの声とあわせて徹底的に真似していくことで、リズムの感覚をインストールできる作りになっています。英語の「One Two Three Four」も真似てみましょう。下手な発音でも大丈夫!大切なのは「呼吸のタイミング」です。英語に慣れていない人は、舌や表情筋など、ふだん使わない筋肉を使う感覚があるはずです。(僕は最初、アゴが筋肉痛になりました(笑))

僕なりのリズム習得のコツは「自分が赤ん坊の頃どうやって言葉を覚えていったのだろう?」と想像すること。先入観を捨て、リズムの大波を感じること。聴いたままをインストールして、新しい感覚を自分のものにしていきましょう。

歌い方のタイミングが明確になると、自然と手の動きもメリハリがついた本格的な雰囲気になってくるから不思議。伴奏者がロン・カーターなのも大事なポイントですね。

音声は視覚を介さないので、動画よりも優れている点がある

今はyoutubeなど動画が全盛なので、どうしても目に頼ってお手本を分析してしまいがちです。しかし、視覚優先の捉え方では音や触覚が後回しになってしまうという問題点があり、動画学習の意外な盲点となっています。

音声を手掛かりにした練習では、純粋にリズムの流れに乗り、発音を真似ていくことが可能になります。

音を覚えるには耳と口を使うこと。このシンプルな方法論は、確実にリズムの捉え方をレベルアップしてくれます。

「本を指でなぞる→ドラムで練習する」ことで、指先とスティックが一体化する

この本では、それぞれのエクササイズがまず「紙の上」で説明され、そのあと「ドラムの上」に進みます。カウントを歌いながら指で紙をなぞり、動きのタイミングが明確になってからブラシを持つ、という流れになっています。
これを実践すると、指先がブラシの柄と一体化する感覚がわかってきます。結果、スティックを扱う時にもコントロールの精度が上がり、ドラミング全体のスキルアップにつながります。

全てのドラマーにこの本をオススメする大きな理由です。

まとめ

ブラシというと「難しそう」とか「ジャズの人だけがやるものでしょ?」というイメージが強いかもしれませんが、エドシグペンの本で取り組むと、ドラミング全体のスキルアップにつながる「リズムの捉え方」と「指先の感覚」が得られます。ぜひ付録のCDにあわせて、カウントを歌いまくりながら練習をしてみてください。

息が止まってしまう人、リズムが短い・浅いと感じる人には特にオススメ。あなたがどんなジャンルのドラマーでも、レベルアップに必ずつながること間違いなし。ぜひエドシグペンの呼吸、リズムに触れてみてください。