モーラー奏法の「感覚」

モーラー奏法は「体の『重み』を、腕や脚の『回転運動』によって楽器に伝える」奏法です。
身体の動きが、どこを切り取っても「円(だ円)運動」になるのが特徴です。

モーラー奏法を応用すると、力の伝達効率が上がります。
大きな音でも、速いパッセージでも、たとえリバウンドがなくても脱力して演奏できる。
そんな状態が実現します。
また、スティックの響きを活かしたり、止めたりといった
音色のコントロールも自由にできるようになります。

その時、何が起こるかというと・・・
これまでに感じていた「手応え」や「衝撃」がなくなるんです。
で、「叩いている感じがしないんですけど、本当にこんなのでいいんですか!?
といった言葉が、レッスン中に飛び出したりします。

音はしっかり出ているのに、身体に衝撃がこない。
それくらい、上手に力を使う方法があるということなんですね。

上手になればなるほど、衝撃も、手応えもなくなっていく・・・。

指先がスティックに吸い付き、肘、肩、肩甲骨までつながったとき。
足首だけでなく、膝や股関節、骨盤までつながったとき。
上半身と下半身が、腸腰筋でつながっている感覚を得られたとき。

「衝撃」という感覚は、なくなります。

代わりに、「ゆらぎ」とか「」といった感覚がやってきて、
リズムのとらえ方、感じ方が根本的に変わっていきます。
モーラー奏法の習得は難しいと言われることが多いのは、このへんに理由があります。
タイミングの感じ方を変える必要があるのです。

脱力の感覚をまだ知らない人は、衝撃に頼ってリズムを感じています。
なのに、その「衝撃」がなくなる。
音はバッチリ鳴っているのに、感触はフワっとしている・・・。
それが「出来ている時」の感覚なんですね。そういう時の音は、
今までよりも芯があり、ボリュームがあるけれども耳に痛くない。

レッスンでは、「それでいいんです。良い音出てますよ」とお伝えして、
「こっちが普通だよね」という感覚に変わっていっていただく。
そんなレッスンをしています。

一度「こっちが普通」という感覚になってしまえば、もう戻ることはありません。
そうなればしめたもので、いくらでも前進できます。
グルーヴを追求するもよし、ルーディメンツを極めるもよし、
パターンズなど難しい教材にチャレンジするもよし。

何より精神的な余裕が生まれますから、本番での音の聞こえ方も変わってきます。
現場の状況、リアルタイムに起きていることへの集中力が増し、
より良いパフォーマンスにつながることでしょう。

僕は楽器演奏において、万人にあてはまる「正しいやり方」というのは
存在しないと思っています。
正解は人の数だけ、それこそ無数にあるのではないでしょうか。

僕にできるのは、先人が積み上げた「上手いやり方」を整理してお伝えすること。
その上で、生徒さんが「ベストなやり方」を選択できるように。
ご自身が置かれた状況に応じてリアルタイムに、柔軟に対応できるように。
そのためのお手伝いをいたします。

レッスンや、各地でのワークショップでお会いできるのを楽しみにしています。

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