「無意識の筋力」を使う

私たちはボーリングの球ほどの重い腕を休みなくぶら下げており、立ったり座ったりしているだけで多くの筋肉が休みなく働いています。

でも不思議なことに、よほど疲れているとき以外は自分の腕の重さを感じることはあまりありません。なぜでしょう?

骨格のバランス

一つ目の理由は「骨格のバランス」です。人間の身体はうまく出来ていて、身体の各パーツが適切な場所にあるので体重をさほど感じなくて済むようになっているのです。特に「正中線」がきちんと取れた状態では、自分の身体の重心がわからないくらい体重を感じなくなります。

無意識の筋力

二つ目の理由は、腕を支えている筋肉がとても強力であることです。しかもその強力な筋肉は、意識しなくても勝手に働いてくれています。

筋肉には「力を入れる」という感覚で動かす「屈筋」と、力を入れる感覚のない「伸筋」があります。

力こぶの上腕二等筋に代表される「屈筋」は、ものを持つ、動作をする等の「意識」で働きます。

それに対し上腕三等筋などの「伸筋」は、手で身体を支える時に「勝手に」働きます。

ドラム演奏では、無意識の伸筋の力をいかに上手く使えるかがカギです。ところが多くの人は屈筋に力が入り過ぎていて、伸筋の力が十分活かされていません。

伸筋の力の存在を感じるためには、屈筋の脱力が必要になります。また、腸腰筋に代表される深層筋(インナーマッスル)の力を活かすためにも、屈筋の脱力は重要です。

モーラー奏法で脱力が重要なのは、屈筋の感覚をなくし、伸筋や深層筋が本来持っている強い力を活かすためなのです。

私自身も「意識」を日々更新し、精進しています。