呼吸と姿勢

このワーク、最重要です。

背筋がスッと伸びた姿勢は見た目にも美しく、
軸が通って、安定しているように見えます。

しかし、結論からいうと、
ダイナミックで柔軟な演奏が目的ならば、
背筋を伸ばした姿勢はドラムには向きません。

「猫背」が適しています。

ドラムを演奏するときの姿勢は、
背筋を伸ばしたいわゆる「良い姿勢」とは全く異なります。

静止状態での安定と、動的な安定は異なるのです。

腹筋を抜く

姿勢のポイントは、腹筋です。
腹筋には姿勢を安定させる働きがありますが、
反面、腹筋の力みは手足の動きを制限します。

動きやすく、力が出しやすい状態を作るには、
実は「腹筋をゆるめる」ことが大切。
呼吸法のワークを通じて、
腹筋が緩む感覚を味わってみてください。

  • 手足のコンビネーションが苦手
  • 音量不足
  • リズムがハマらない
  • アップテンポが苦手

・・・などの悩みは、
腹筋をゆるめて演奏することができれば、
かなりの確率で改善されることでしょう。

ワーク

イスに座り、リラックスして行う。
ひざは曲げすぎず、90度強の角度に。

胴体の側面、ろっ骨と腰骨の間の
骨がないところに手の小指側を当て、
そのまま前方にスライドする。

これが、脱力のポイントとなる「横のライン」。
(平均的に、ヘソのほんの少し上くらい)

このラインに伸ばした指先を当て、
おなかに「折り目」を作るつもりで
息を吐いていく。
「おへその高さで背骨を丸める」イメージで、
指先で、腹筋のゆるみを確認しながら行う。

吐き切ったら、元の姿勢に戻りながら吸う。
以上を繰り返す。

股関節は曲げず、
あくまでもへその高さで
おなかが曲がるように息を吐く。

腹筋が緩みにくい人は、とにかく脱力。
腰を立てる、反らすクセがある人は、腰を寝かしてみる。
絶対に、力で腰を曲げようとしないように。

特に、腰痛のある人は慎重に行ってください。

実は、腹筋を緩めるにはちょっとした「勇気」が必要です。
なぜなら、生き物として無防備な状態になるからです。

腹筋の力は「身体を安定させる力」であり
「身体を守る力」ですから、
これを手放すことには、本能的な恐怖が伴うのです。

そういった「意識の働き」を観察することも含めて
ワークに取り組んでみてください。

感覚を味わおう

腹筋をゆるめたまま、
手を太ももの上に落としてみよう。
普段とくらべて、重みはどう変化しただろうか?

腹筋をゆるめたまま、バスドラムを鳴らしてみよう。
音はどう変化しただろうか?