相手と同じ音を聴く

2019年1月10日

自分の聴いている音が、相手にはどのように聴こえているのか?と想像する態度は、どんな相手に対しても必要だ。

人にはみんな聴き方の「クセ」がある。感覚には個人個人のフィルターがあり、同じ音であってもフォーカスする部分は人によって違う。

ドラムセットは多くの楽器が混在しているので面白い。ハイハットの高域を中心に聴く人もいれば、バスドラムの低音を中心に聴く人もいる。ギタリストはギターの音に対する感受性が最も高いだろうし、ボーカリストは歌詞を中心に音楽を捉える傾向があるかもしれない。

秋野さんのように聴覚に障がいがある人でなくても、僕に聴こえている音が聴こえていなかったり、反対に、聴こえていない音が聴こえていたりするのだ。

アンサンブルが上達するためには、聴き方のクセを修正し、フォーカス出来る音を自在に移動する訓練が有効だ。フォーカスする音によって演奏は瞬時に変化する。

こういう書き方をすると「聴き方のテクニック」のように思う人もいるかもしれないが、違う。「相手と関係したい」という欲求があれば、自然とそういう聴き方になるはずだからだ。僕の場合、その欲求は音楽を作りたいという欲求、人が集まる場の一部として役割を果たせる自分でありたいという欲求と同時に存在している。

と、ここまで書いてみて、聴くのは音だけではないかもしれないと思った。

音にフォーカスするだけでは不十分だ。大切なのは熱量、エネルギー、流れといった、音に付加された「情報」だ。エネルギーが先で、音符は後付けだ。

これは言葉についても同じであろう。相手と関係したいという欲求のないところには、音楽も言葉も生まれない。

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