聴覚障がいの生徒さん

2019年1月10日

聴覚障がいを持つ秋野さん(仮名)がドラムレッスンに通ってくれている。会話用の補聴器と、演奏用の補聴器を切り替えながらのレッスン。僕にとってもはじめての経験だ。

秋野さんは全く聴こえないわけではないが、小さい音は聴こえないし、大きな音でも一部の音域しか聴こえない。低域は聴こえているようだ。リズムと音色を感じてもらうために試行錯誤する。

手を叩く、足踏みをする。足踏みの隙間で手を叩く練習では、隙間に上手く手が入らない。こういう何気ない動きにも聴覚が関わっているらしい。

太鼓の近くに手をかざして皮膚で響きを感じてもらう。これは音の「長さ」を感じてもらうのに功を奏し「ドラムの音はこんなに長いのか」と新鮮な驚きを素直に表現してくれた。

そう。秋野さんは素直なのだ。気持ちを真っ直ぐに語ってくれるので、意思疎通には何の問題もない。

そんな秋野さんがコンテストに応募するという。普段は僕が一緒に叩くので身体の動きが手がかりになるが、音源にあわせて叩くので「耳」しかない。秋野さんと二股の端子で同じ音を聴きながらレッスン。秋野さんにはどのように聴こえているのか?想像力をはたらかせながら秋野さんを観察する。

曲のスタートは合う。意外に聴こえているらしい。しかし曲が進むと拍が裏返ってくる。やはり限界か?と一瞬思ったが・・・何のことはない、息が止まっているだけだった。そこで歌いながらの裏打ちを特訓すると・・・合ってきた!

ハンデがあるから出来ない部分と、技術的に未熟だから出来ない部分。両者は混ざり合っている。そこを一緒くたにして「無理」と決め付けるのはもったいないのだ。

「とにかくドラムが好きだから続けていられる」という秋野さんのドラム歴は長い。上達していく秋野さんの姿は、これからも多くの人に影響を与えていくに違いない。

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